2026年4月29日、国連ウィメン日本協会大阪とクレオ大阪中央の共催による講演イベントを開催し、70名を超える方々にご参加いただきました。イベント後の交流会でも熱心な意見交換が行われました。
第1部の基調講演「ジェンダー・ギャップはどこにある?データが示す日本の現状」では、共同通信社編集局次長の山脇絵里子さんが登壇。男性中心的なメディア業界でキャリアを切り拓いてきたご自身の歩みを、二つの実体験を交えて語られました。一つは、育休中に目にした「ベビーカーは折りたたんで」というポスターへの疑問を粘り強い取材で記事化し、方針転換を促した経験。もう一つは、25年以上に及ぶストーカー被害の取材を通じ、社会課題として可視化させ、法改正へと繋げた経験です。ライフステージの変化に応じて仕事のギアを緩めても、問題意識を「心の引き出し」にしまい生涯かけて向き合うことでライフワークは形成される、と力強いメッセージが送られました。
続いて、共同通信社が毎年公表している「都道府県版ジェンダー・ギャップ指数」の分析結果が紹介されました。政治分野で5年連続1位の東京都も数値自体は低迷している一方、行政分野で5回連続1位の鳥取県は、30年以上前からの当時の知事による人事・働き方改革の成果であり、トップのリーダーシップの重要性が示されました。教育分野では大学進学率に地域差があり、地方の女子生徒が「性別」と「地域」の二重の格差に直面している実態も報告されました。また、大阪については、就業率は高いものの男女間賃金格差が大きく、共働き家庭の家事・育児時間の平等度が全国最低レベルにある課題が指摘されました。
第2部のトークセッションでは、山脇さんと国連ウィメン日本協会大阪会長の三輪が対談し、ジェンダー平等の実現が、誰もが一人の人間として輝ける社会の基盤になると強調されました。また、参加者からの女性リーダー育成に関する質問については、完璧を求めず多様なリーダー像を認めることや、「期待する・機会を与える・鍛える」というアプローチの重要性が共有されました。多様な視点が意思決定の歪みを防ぐという考え方や、制度の変革が人々の意識を変えるという海外の事例も紹介され、一人ひとりが身近な“当たり前”を問い直し、声を上げて対話を広げることが社会を変える一歩になると締めくくられました。
本イベントを通じて、ジェンダー平等は私たちの暮らしや地域と密接に結びついていることを認識するとともに、多様な生き方を認め合い、共に新しい社会を築いていくことを確認する機会となりました。