クラシック音楽講座「なわて音楽セミナー」
終了したセミナーのご報告
2月14日 19時開講
第5回 [ウクライナのお話] 大好評で終了しました。ありがとうございました。
当日はよみうりテレビの「ウェークアップ」の取材班が会場内の様子を撮影しいつもと違った雰囲気となりました。
<講義内容>
■私は何故キーウへの留学を決めたのか
~師匠・親友・オーケストラとの出会い~
■20年間に渡るチェルニーヒウフィルとの思い出
~日本との架け橋に・クリミア危機~
■ロシア・ウクライナ侵攻・ウクライナの音楽界は今
~楽器を銃に持ち替えた団員たち・私が日本でできること~
■音楽家の視点から見たウクライナの魂とは
~ウクライナの人たち・スラヴ音楽を奏でつづけること~
■歌ってみよう♪
♪I.シャモー / 私のキーウ
♪G.F.ヘンデル / オラトリオ「メサイア」より『ハレルヤコーラス』
<講義リポート>
2月14日(火)なわて音楽セミナー 第5回が開催されました。
今回のテーマは[ウクライナのお話]ということで、多くの方にご参加いただきました。
髙谷監督はウクライナの国立チャイコフスキー記念音楽院(旧キーウ音楽院)の指揮科を首席で卒業。その後は23年間ウクライナのチェルニーヒウフィルハーモニー交響楽団で常任指揮者を務めています。
しかし、一年前にロシアによるウクライナ侵攻が始まったことで、ウクライナに関する悲しいニュースを見ない日はありません。
この日のセミナーでは、髙谷監督のウクライナとの出会いから、音楽家の視点で見たウクライナの過去・現在・未来の話を聞くという、大変貴重な講義となりました。
まずは髙谷監督とウクライナとの出会いということで、キーウ音楽院の入学に関するエピソード(飛び込み受験をし、飛び級で合格!)から始まりました。
音楽院で学んだことの中で「スラヴ音楽には自由を希求する心がある」という一節がとても印象に残りました。
そして23年間のチェルニーヒウフィルとの音楽活動では、日本とウクライナの音楽家達の架け橋となり、マスターコースや演奏会など、120回を越える公演を開催したとのことです。
また、2014年のクリミア危機の最中に行われたドヴォルザーク/交響曲第9番「新世界より」の演奏会では、文化予算の削減により暖房の切られた極寒の中で行われた過酷なリハーサルのお話が、大変胸に迫るものがありました。
まさにその演奏会の動画が上映され、その中には当時の街の様子を撮影した写真も含まれていました。受講生の皆様も、ウクライナで起きていることの生々しさを実感されたのではないかと思います。
そして、いよいよロシアによるウクライナ侵攻の話となりました。オーケストラ団員が軍隊に入り、楽器を銃に持ち替えて戦っていること。また、ヘルソンで行われたロシアによる祝祭コンサートへの出演を拒否したウクライナの指揮者が、ロシア兵に射殺されたことなど、ウクライナの音楽界で起きている現実を知る機会となりました。
髙谷監督は停戦後のウクライナ音楽界復興のために支援活動をしていること、また、ウクライナの現実を伝えるという決意を持って報道に出る覚悟をしたとのことです。
この日も、読売テレビによる取材が入っており、その模様は18日「ウェークアップ」にて放送されました。
そして最後に、音楽家の視点から見た“ウクライナの魂”は「自由を希求する不屈の民である」とのことでした。
私たち日本人も、今起きている侵攻によりウクライナという国について見たり聞いたりといった機会は多くあります。しかし、この様にウクライナに深く携わり、実際に交流をしてきた人の生の声を聞くということは本当に大切なことであり、真の意味で理解するということではないでしょうか。
現在ウクライナで起きているロシア文化の排除について、髙谷監督は「音楽に国境はない。ロシア音楽を含むスラヴ音楽の心を伝えるために、私はこれからもチャイコフスキーやラフマニノフを指揮し続けます」という言葉と共に、ラフマニノフの交響曲第2番の動画で講義は締めくくられました。
休憩をはさみ、後半は合唱演習として「私のキーウ」というウクライナの歌を取り上げました。
この歌はキーウで時報として流されており、ウクライナの人達にとっては国歌のように大切にされている歌とのことです。
最初にテノール歌手の中島康博さんと、ピアニストの釜崎禎さんによる「私のキーウ」の模範演奏がありました。
素晴らしい歌声とピアノ演奏に会場はまるでコンサートのような雰囲気となり、受講生の皆様は聴き入っておられました。
プロによる本物の音楽に触れられることも、当セミナーの大きな特徴と言えます。
ウクライナ語のディクションを経て合唱が始まり、スラヴ音楽のどこか懐かしい郷愁を感じるメロディーを受講者の皆様も心を込めて歌われました。
いよいよ、この春には「なわて混声合唱団」の結成となります。
今回のセミナーから団員募集に関するチラシと申込書を配布させていただきました。
もちろん音楽監督・指揮は髙谷光信。そして、専属ピアニストに釜崎禎さん、更に専属ボイストレーナーとして中島康博さんが参加されることが決定しております。
なわて音楽プロジェクト(NMP)として、多くの方のご参加を心よりお待ちしております。
次回のセミナーは3月14日(火)19時開催予定です。「音楽家たちの世界」というテーマのもと、髙谷監督がこれまで出会ってきたプロ音楽家のエピソードや忘れられない思い出など、ステージで見る音楽家とはまた一味違う、知られざる世界を深く知ることのできる機会となります。
それでは、次回も多くの方のご参加をお待ちしております。
アンケートに記されていたご感想、ご意見
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世界各地民族曲のコンサート |
髙谷さんのオケのコンサート(ウクライナ関係)四條畷市男性 |
来年も当セミナーを楽しみにしています。和歌山県橋本市 |
指揮法 色々な演奏をもっと観てみたい。 |
歌やオーケストラ、音楽に関することなら、どんなことでも!!個人的には色んなプロの(特にソプラノ)声を生で聴きたい。大阪市西淀川区 女性 |
混声合唱、第九 四條畷市 男性 |
高谷先生の楽しいワッハッハ!のセミナーの続編を期待しています。 |
このセミナーが続くことがとてもうれしいです。人生よろこびに向かっています♥ 枚方市 女性 |