日常生活の中でよく耳にする、「更年期」という言葉。 みなさんはどのようなイメージがありますか? 体の不調や、心が落ち着かないなど、ネガティブなイメージで 捉えられてしまうことも多いですが、実は英語では ” the change of life “といい、人生において大切な健康の転機のことをさしているのです。 厚生労働省では、毎年3月1日から3月8日までを「女性の健康週間」 と定め、女性の健康づくりを国民運動として展開しています。 これを機に、更年期や健康について改めて考えてみましょう。
ちぇぶら代表、更年期トータルケアインストラクター平成26(2014)年に更年期サポートを目的とした「ちぇぶら」を設立。1,000名を超える調査や、医師の協力を得て“更年期対策メソッド”を研究・開発・普及。全国の企業や医療機関、自治体などで行う講演は6万人以上が受講している。カナダで開催の国際更年期学会等で発表するなど、国内や海外で広く活動。最新の著書『ふりまわされない! 更年期』(旬報社)は、日本だけでなく、台湾・韓国でも翻訳出版されている。
女性の更年期は、閉経の前後5年の期間のことをいいます。日本人の場合、閉経の平均年齢はおおよそ50歳なので、45歳~55歳のことを更年期と呼ぶことが一般的ですが、個人差がありますので、例えば55歳で閉経される方は、50歳~60歳がその方の更年期ということですね。
この時、不調が起こる理由は大きく分けて2つで、1つが女性ホルモンの急激な低下、もう1つは、それによって起こる自律神経の乱れです。このダブルパンチで様々な不調が起こりやすくなり、その種類は200~300種類あるといわれています。
また、更年期障害というと女性特有の不調と思われがちですが、男性も男性ホルモンの低下によりさまざまな症状が出る場合があります。
のぼせ、ほてり、発汗、寒気、冷え、動悸、疲れやすい、頭痛、めまい
イライラ、怒りっぽい、抑うつ気分、涙もろくなる、意欲の低下、不安感
腰痛、関節痛、筋肉痛、手足のしびれ、もの忘れ、むくみ、手のこわばり、腹痛、便秘、下痢、かゆみ、湿疹、蟻走感、頻尿、性交痛、ED(男性の性機能の低下)
心身の不調については、個人差が大きいため全く不調を感じないという方から、中には朝起き上がれなくなったり仕事を続けることが困難になる…という方もいらっしゃいます。ただ、40代半ばからは9割の女性が何らかの不調を感じていて、ご家族や職場の方など、“周りのみんなで知る”ということが大事だと思います。「更年期の不調だな…」と思っていたら、実は他の病気が隠れていたということもあるので、「なんだかよくわからない体調不良が続く」女性は迷わず婦人科に行って診てもらいましょう。また、更年期症状の有無に関わらず、体は更年期を節目としてどんな人も大きく変化しています。運動、食事、睡眠など基本的な生活習慣を整えることがこの先の人生の大きな分かれ道になるといえるでしょう。
ちぇぶらでは、動画や実際の講座で生活習慣の整え方のコツについてもお伝えしています。「今が心と体を整えるチャンス!」と思って、ぜひ実践してみてください。
更年期をネガティブに捉えるのではなく、前向きに対策ケアに取り組んでいただけるように、私たちはいま様々なSNS媒体で情報発信を行っています。「YouTube」での動画配信は、更年期での“困った時の薬箱”的なセルフケアとして、「Voicy」の音声配信は“ながら聞き”で日常生活のそばに、気軽に情報を知っていただけるツールとして活用していただければと思います。コンテンツ自体も、自律神経や体の各部位などかなり細かく分類したケア方法や、「更年期あるある」をコント形式で紹介したクスッと笑える動画などもたくさんあります。
このようなユーモアはとても大事だと思っていて、例えば運動することは重要だと知っていても、「運動しましょう!」のごり押しではなかなか実践できない…という人も、楽しいということに気づけば行動に移しやすいものです。いわゆる“fun theory”というのですが、私たちも、更年期の大事な情報を伝えていくために“健康的で・楽しくて・役に立つ”を柱に講座やコンテンツをお届けしています。今年は、“更年期をポジティブにする!”をテーマにした漫才でM-1グランプリ2024にも出場し見事1回戦を突破しました! 芸人さんに交じって笑いをとれたこと、審査員の方に評価していただけたことで、皆さんにもこの“fun theory”を通して更年期について知っていただけたのではないかと思います。
心と体は、これからの人生でまだまだずっと付き合っていくもの。人生を楽しむための土台作りとして、それを整えていくことはやはり重要です。更年期はチャンス! 皆さんの人生がより楽しく、より素敵なものになるために、あなた自身も、あなたの周りの方も、“更年期”についていま一度考えてみませんか。
(Instagramで公開されている、#ちぇぶら川柳より抜粋)
発行:大阪市市民局ダイバーシティ推進室男女共同参画課 編集:大阪市立男女共同参画センター中央館指定管理者:大阪市男女共同参画推進事業体 (代表者:(一財)大阪男女いきいき財団) クレオ大阪ホームページ