あゆみ

市女性会の生い立ち

戦後、大阪市内の婦人団体組織は、昭和21年10月に西成区婦人団体協議会、昭和22年1月に天王寺区婦人団体協議会が結成されたものが最初で、その後、各区にも組織化とその活動が急速に広がっていった。
地域の婦人団体結成の背景となったのは、米軍政部から大阪に派遣されてきた婦人問題指導者ミス・コーンが、大阪市の社会教育機構に婦人教育係を置くこと、ならびに50人を限度とする婦人団体を、地域にできるだけ多く育てる方針を市に指示したことであり、各区役所では、区内のPTA役員や民生委員など、婦人の指導者を集め、婦人団体結成への指導が行われた。
市教育委員会社会教育課に婦人教育係が置かれたのは、昭和24年1月で、各区の婦人団体協議会結成に力を尽くすとともに、これを包括する全市組織の結成に取り組んだ。
そして、昭和24年12月3日、市の主導と呼びかけに呼応して、各区60の婦人団体を統括する大阪市婦人団体連絡協議会(以下、市婦協、現市女性会)が結成された。

地域貢献に関する事業

「みおつくしの鐘」を鳴らす運動

みおつくしの鐘

大阪市役所屋上に設置されている「みおつくしの鐘」は、青少年の健全育成を願って、会員15万人が心をひとつにして募金運動を行い、制作した記念鐘である。
復興途上の昭和29年の大阪では、いぜんとして多くの青少年たちが夜遅くまで各ターミナルを徘徊して非行事件が頻発、警察ではその対応に追われる日々が続いていた。市婦協は、この状況に対し、関係機関と協議しながら具体策を模索していたが、同年12月に、この青少年たちに「早く家に帰りなさい」と呼びかけようではないか、そのために「みおつくしの鐘」をつくり、この愛の鐘を鳴らす運動を起こそうではないか、との結論に達し、直ちに募金活動を開始した。昭和30年5月5日のこどもの日には、「みおつくしの鐘」が高らかに鳴り響き、同時に、各ラジオ放送では、この日から毎日午後10時の時報前に10秒間、愛の鐘が鳴らされた。市婦協の結成40周年にあたる平成元年には全単位が協力し、市内24区役所に「みおつくしの鐘」の時限装置を設置した。
毎年、成人の日に「みおつくしの鐘 打鐘のつどい」が大阪市の主催で開かれる。昭和33年から始まり、市内の新成人が市長らとともに、20歳になった喜びと感謝の気持ちを込めて、鐘を20回打ち鳴らす行事である。「みおつくしの鐘」は現在も市女性会の象徴として、青少年問題に取り組む原点となっている。

市立婦人会館からクレオ大阪中央に

市婦協の結成から10年がたち、活動の幅がひろがるなかで、組織内外から活動拠点の場を求める声が高まった。昭和34年10月の実行委員会において、「なんとしても私達の力を結集する婦人の殿堂が必要なのである。会員から1日1円集めよう。」(「市立婦人会館建設募金趣意書」より)と、1,000万円を目標に10万人余の会員に呼びかけて、1日1円募金を開始することが決まった。(1,000万円を現在に換算すると約3億5000万円。)
募金は民間の浄財を合わせて1,300万円が集まり、施設内部の各種備品費に充当された。
昭和37年10月8日には、市立婦人会館の開館式が行われた。女性の地位向上と教養を高める学習活動、男女共同参画社会実現に向けての活動、地域に根ざしたボランティア活動など、大阪における女性教育活動の拠点として機能してきた。市女性会も活動の拠点を得て、さらに活動を充実させていった。
その後、大阪市が推進する男女共同参画センター中央館(クレオ大阪中央)として発展的に立て替えられることになり、平成13年に開館し、大阪市の男女共同参画推進の拠点施設としてたくさんの市民に利用されている。
同じく平成13年に名称を「大阪市地域女性団体協議会」(以下、市女性会)と変更し、クレオ大阪中央内に事務局を置いた。同館は市女性会の市内全体の活動の拠点となっている。

婦人会館

婦人会館

中央館

中央館

機関紙「女性大阪」の発行

女性大阪

市立婦人会館の開館と同じ、昭和37年10月、全会員の交流を目的に、「婦人大阪」を発行した。平成13年7月からは、「女性大阪」と名を改め、毎月発行した。「女性大阪」の題字は当時の磯村市長の揮毫による。
「女性大阪」は女性の教養と地位向上、会員の意見発表と交換の広場として、市女性会の活動や区・単位女性会の学習内容・活動報告、女性の日々の生活に直接・間接に関係のある社会問題をシリーズで分かりやすく、また推薦図書や会員の声なども掲載し、全会員が女性会の活動内容を把握できるように情報を提供し、長い歴史を刻む記録となっている。
活動のあり方の見直しに伴い、「女性大阪」は、平成26年4月発行(通刊618号)をもって休刊している。現在は、市女性会のPR誌として、大阪市女性会だよりを年2回発行し、活動予定や報告、コラムなどを掲載している。

さまざまな活動の積み上げ

男女共同参画社会の実現をめざして

男女共同参画社会

市女性会では、結成当初から学習を活動の基本としながら、常に女性の教養と地位向上をめざしてきた。その活動の成果として、大阪市では私たちの要望を受け、「大阪市男女共同参画推進条例」が平成15年から施行され、行政、市民、事業者が一体となって男女共同参画社会の実現をめざした取り組みをすすめている。
平成19年度からは、「男女共同参画週間」(6月23日~29日)、平成22年度からは「女性に対する暴力をなくす運動」実施期間(11月12日~25日)に行政との協働で、男女共同参画社会についての理解を深めるための街頭啓発活動を実施している。
市女性会がこれまで積み重ねてきた「学習と実践」に基づく活動は、まさに地域における男女共同参画推進のための原動力であることを再認識するとともに、今後は一層の研鑽を重ね、行政及び関係団体と連携して地域の男女共同参画推進の啓発活動に取り組み、地域のリーダーとして女性会会員の活躍の場を広げていくよう尽力する。

町を明るく美しくする運動 -花壇づくりー

大阪マラソンクリーンアップ作戦

町を明るく美しくする運動は、生活の場からの都市環境改善に向けて昭和33年から始めた地域運動で、全区、単位女性会が日常的にこの運動に取り組んでいる活動です。
タバコのポイ捨て防止はもとより、かたづけ・たい、花いっぱい運動、緑のカーテンづくり等、各関係方面と連携し、多彩な取組みを展開している。昭和58年に「大阪21世紀計画」と歩調を合わせて美化運動「クリーン大阪21」をスタートさせ、清廉な町と大阪を愛する心を育てることを目的に毎月1日を「清掃の日」と定めて、全単位女性会で一斉清掃に取り組んでいる。
なみはや国体開催に合せ、一斉清掃を行った事を契機に平成11年からは、毎年5月30日を「ごみゼロの日」として、市内主要ターミナルでの一斉清掃を、また、平成23年からは「大阪マラソン」の開催にあわせ、「大阪マラソンクリーンアップ作戦」に参加し、市内3か所で清掃活動を行うなど、美化活動を市民へ呼びかけ大阪を美しくするさまざまな活動を進めている。

大阪市女性大会

大阪市女性大会

市女性会では、昭和51年の「国連婦人の10年」開始にあたり、結成以来毎年開催してきた「町を明るく美しくする運動推進大会」を「大阪市婦人大会」(平成13年度からは「大阪市女性大会」)と改め、国際婦人年の理念を大きく呼びかける大会とした。
平成11年「男女共同参画基本法」が公布・施行、平成15年「大阪市男女共同参画推進条例」が制定施行され、現在では、地域に生きる女性の立場から学習と実践活動を充実させ、男女共同参画社会の実現に寄与することを踏まえて、例年秋に「大阪市女性大会」を開催している。

DV被害者の支援~夕陽丘基金の取り組み~

DV被害者の支援

DV(ドメスティク・バイオレンス)とは配偶者や恋人など親密な関係にある者からの暴力という意味で、DV被害者は多くの場合、女性である。
市女性会では、大阪市が行う施策と連携して、現在の公的制度では十分な支援が受けられない状況にあるDV被害者やその同伴者(主に子ども)に対して、経済的支援を行い心身の回復を図り、自立を支援することを目的に平成16年3月23日に大阪市の女性団体などとともに「夕陽丘基金」を設立しました。基金への協力活動としての「夕陽丘募金箱」を全単位女性会に配布し、会員をはじめ広く寄付を募るとともに、DVに対する社会意識の啓発も含め、被害者支援活動を行っている。
クレオ大阪各館で毎年開催される「フェスタ」では、市女性会会員が石鹸・タオル等を提供してチャリティーバザーを開催し、売上金を夕陽丘募金として、基金に寄付している。
また、夕陽丘基金設立15周年にあたり、平成30年11月に開催された記念シンポジウムの場で、市女性会が長年にわたり基金の活動に協力してきたことに対し、感謝状が贈呈された。

新たな取り組み

環境問題への取り組み

環境問題への取り組み

市女性会では、平成14年から環境家計簿「なにわエコライフ」に取組み、CO2削減と地球温暖化防止に向かって会員にもアピールし、平成16年から大阪市の打ち水大作戦に参加。家庭では生活排水や風呂の残り湯、雨水等を市民が一斉に打ち水し、ヒートアイランド現象を緩和、大阪の町の温度を少しでも下げる活動に協力している。

ホームページの開設

パソコンの普及に伴い幅広い情報の収集や発信、また資料作成を目的に市女性会でもパソコンに取り組むことが検討され、平成11年に各区会員から受講生を募り、パソコン操作の初級編の講習会を始めた。その後、ワードからエクセルまで使えるようにレベルアップし、毎年24区から30名余りの会員が4回の連続講習会を受講した。
平成16年、各区から受講生ら代表者が集まり、ホームページ編集委員会を開いて市女性会ホームページを開設した。
平成30年度には、ホームページのリニューアルを行い、事業報告や今後の予定など、活動の交流の場として女性会の情報発信を行っている。

結核予防複十字シール運動

環境問題への取り組み 環境問題への取り組み

複十字シール運動とは、世界中の結核を撲滅し、肺がんやその他の胸部疾患をなくすための事業資金を集める目的で、世界80ヶ国で行われている運動である。
市女性会では、昭和43年から毎年開催される結核予防中央講習会に参加し、結核に対する正しい知識を学習して結核対策に努め、昭和63年から各単位女性会による複十字シール運動募金への協力をしている。
また平成18年度からは、全国一斉複十字シール運動街頭キャンペーンの「シールぼうや」の着ぐるみとともに、結核のおそろしさをアピールするために、市内主要ターミナルにおいて結核予防パンフレット、シール運動リーフレットや啓発グッズを配布し、基金への協力を呼びかけ、結核予防推進に尽力している。

各区の活動

女性学習会(女性学級)

昭和32年から大阪市より委託を受け、各区女性会、単位女性会が中心となってそれぞれの区、地域で女性学級を開設し、区・地域の女性の教養と地位の向上に大きな役割を果たしている。この取り組みは、まさに女性会の学習活動の基本である。
平成24年度より市女性会独自の事業として、自主的な学習会を継続し、毎年各区での学習成果の事例発表会を開催している。

参考文献

『大阪市地域婦人団体協議会50年のあゆみ』
『大阪市地域女性団体協議会60周年記念誌』
『大阪市地域女性団体協議会65周年記念誌』
『温故知新 「婦人会活動と専門委員会」―いま、市婦協活動に求められること―』