認定NPO法人 ふーどばんくOSAKA 事務局長 森本 範人 さん

余剰食材を譲り受け、必要なところへ届ける

 「フードバンク」とは、余っている食品を引き取り、必要としている団体や個人につなぐ活動です。日本には、まだ安全に食べられるのに、さまざまな理由で捨てられる食品(フードロス)が年間600万トンあります(※)。その一方で、さまざまな事情で生活がいきづまり、食べることに困っている人たちがたくさんいます。

 ふーどばんくOSAKAでは、大阪府内の企業、生産者、卸売業者、個人などから余剰食材を譲り受け、府全域の施設や団体、個人に届けています。現在スタッフは5名。他にも1日2〜3人のボランティアスタッフの方に、食材の配達や仕分け作業を手伝ってもらっています。食材を寄付してくれた人の「どうぞ」という声、受け取る人の「ありがとう」という声を届け合うことで、地域社会につながりを生み出すことをめざしています。

※農林水産省及び環境省「平成30年度推計」

コロナ禍で増えた女性からのSOS

 昨年から続くコロナ禍で、わたしたちの活動の重要性がますます増していると感じています。特にコロナ禍の経済的影響は、非正規雇用労働者など、収入の不安定な女性が受けやすいと言われています。

 ふーどばんくOSAKAにも、昨年の秋頃から若い女性やひとり親家庭からのSOSが急増。学校が休校になったことで「子どもに食べさせるのが苦しい」という声も多くありました。

だれもが安心して暮らせる社会のために

 かつては顔の見える関係の中で、お互いに支え合ってきた地域のコミュニティ。今では「自己責任」や「自助」などと言われ、そのつながりが薄れつつあります。

 ふーどばんくOSAKAでは、府内の子ども食堂にも積極的に食品を提供しています。このコロナ禍でも、感染対策をしながらお弁当をつくって配布したり、食堂を開く地域の人たちがたくさんいらっしゃいます。そこで顔見知りになることで、「あの子、最近見ないけど大丈夫?」など、住民どうしで異変に気づき合うことができるそうです。

 食で命をつなぎ、人をつなぎ、地域をつなぐ。「誰一人取り残さない」というSDGsの理念にも沿った、すべての人が安心して暮らせるまちづくりをめざしています。

多くの感謝状が施設や子ども食堂から届く

認定NPO法人
ふーどばんくOSAKA
事務局長
森本 範人 さん

地域の就労支援・自立支援事業に長年携わる。2013年、ふーどばんくOSAKAの立ち上げメンバーとなり、2018年事務局長に就任。

個人、企業、法人などから以下のような支援を随時受付けています。

●食材・備品・機材などの提供
●寄付金を送る・賛助会員になる
●ボランティアスタッフとして参加する

2021年10月号 コンテンツ

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表紙

発行:大阪市市民局ダイバーシティ推進室男女共同参画課 編集:大阪市立男女共同参画センター中央館
指定管理者:大阪市男女共同参画推進事業体 (代表者:(一財)大阪男女いきいき財団)
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