クレオ大阪をもっと身近に感じていただく連載企画です。今号はクレオ大阪の成り立ちや機能などを紹介します。
クレオ大阪の説明の前に、男女共同参画社会について説明させてください。男女共同参画社会は、英語ではgender-equal societyといい、その意味は、男女が、互いにその人権を尊重しつつ責任も分かち合い、性別にかかわりなく、その個性と能力を十分に発揮することができる社会です。クレオ大阪は愛称で、クレオはラテン語で「創造」を意味します。正式名称は大阪市立男女共同参画センターといいます。
クレオ大阪は、男女共同参画社会を「創造」するために、大阪市が設置した拠点施設です。大阪市内に5か所あり、男女共同参画社会実現のための「場」として、市民同士あるいは市民と組織や情報、人と人とのつながりやネットワークを生み出す役割を果たしています。
男女共同参画社会の実現をめざす活動とは、大きく「社会全体の仕組みづくり」と「一人ひとりの課題解決のための活動」に分けられると考えています。「社会全体の仕組みづくり」とは、性別による固定的な役割分担意識をなくし、誰もが活躍できる社会基盤を整えることです。
そして、「一人ひとりの課題解決のための活動」とは、個人の意欲と能力を十分に発揮できるように、スキルや経験を身につける学習機会を提供したり、困りごとや悩みを解決するための相談や情報提供をしたりする活動です。
男女共同参画センターは、それぞれに規模や名称に違いはありますが、全国にあります。なぜなら、男女共同参画社会基本法(以下、基本法)に基づく施設だからです。基本法は平成11(1999)年に成立し、男女共同参画社会を実現するために、都道府県や市町村に対して計画(※1)を立てることや、国民の理解を深める取組みを求めています。そして、令和7(2025)年に一部改正され、男女共同参画センターが「関係者相互間の連携と協働を促進するための拠点」として法的に位置づけられました。
さらに、令和8(2026)年4月に独立行政法人男女共同参画機構(JGEPA)が発足しました。JGEPAは、男女共同参画に関する施策を総合的に行う「ナショナルセンター」として、また、地域における諸課題の解決に取り組む各地の男女共同参画センター等を速やかにかつ強力に支援する「センターオブセンターズ」の役割をもち、国や自治体、男女共同参画促進施策に関する活動を行う地域の企業、経済団体など多様な関係者と連携し、中核的な機関として積極的な役割を果たしていくこととされています。
大阪市では、昭和51(1976)年に始まる国連婦人の10年の間に婦人問題の施策がさらに進められ、平成元(1989)年には「女性いきいきセンター構想」として、女性センターの整備計画が整いました。つまり、大阪市では、国が基本法を制定する以前からとても活発に女性施策が進んでいたのです。そして平成5(1993)年にはクレオ大阪北として大阪市立女性いきいきセンター北部館が開館しました。その後、西部館、南部館、東部館が開館し、平成13(2001)年にクレオ大阪中央が開館し、今日の5館体制へつながりました。 ところで、大阪市では基本法ができる30年以上前、昭和37(1962)年に大阪市立婦人会館が日本初の公立女性教育施設として設置されています。これは大阪市内の女性たちが学びと交流の拠点を求めて募金を行った活動が元になっています。クレオ大阪中央は、その婦人会館の跡地に立っています。先人の思いを引き継いで今のクレオ大阪があるとも言えますね。
※1「大阪市男女共同参画基本計画~第4次大阪市男女きらめき計画~」については、こちらをご覧ください。
クレオ大阪は、男女共同参画に関連する学びや情報の提供、女性相談、調査研究など様々な事業を展開しています。また、こうした活動に関わる人たちのネットワークの拠点となる施設でもあります。 具体的には、年間を通じて男女共同参画に関連するセミナーや講座などを開催し、学びや交流の場をもっています。こうした活動は、基本法や大阪市男女共同参画推進条例で定められた「学習や広報の機能」を果たしています。また、女性相談、男性相談、子育て相談の3つの相談窓口があります。さらに男女共同参画に関連する情報の収集や提供を目的に、研究室、情報・図書コーナーも設けています。
男女共同参画センターという名称のとおり、男女ともにご利用いただけるよう、事業を実施していますが、全体でみると、女性を主な対象とする事業が多くなっていると思われるかもしれません。その理由は、基本法では「男女間の格差を改善するために必要な範囲において、男女いずれか一方に対して当該機会を積極的に提供する」と規定されている中で社会の情勢を鑑みると、様々な機会への参画について男女格差の改善という点において、男性よりも女性に対する支援や機会の提供が必要と考えられているからです。実は、世界経済フォーラムは各国における男女格差を図るジェンダー・ギャップ指数をみると、日本は先進国のなかでも、アジア諸国のなかで韓国や中国、ASEAN諸国と比較しても男女格差が大きいのが現状です。これは、「健康、教育、経済、政治」の4つの分野で0が完全不平等、1が完全平等として数値化したもので、日本は148か国中118位(2025年発表)となっており、特に「経済」「政治」の分野での男女格差が大きいことが影響しています。
出典:内閣府男女共同参画局ホームページ
国の基本法そして大阪市の条例でも、施策のために調査研究は推進されています。それに基づいてクレオ大阪の調査研究事業は、事業をよりニーズにあったものにするためや男女共同参画社会の実現のために、様々な社会課題を明らかにすることを目的にしています。
また、調査研究のもう一つの目的は、みんなが「なんとなく不便だな」「生きづらいな」と感じていることが、どのような課題で、どのような規模で起きているのかなどの現状について分析することです。調査研究を行うことで、「どこを改善すればよいか」という具体的なアプローチが見えてきます。これは市民ニーズにあった事業展開のスタートラインともいえます。このような調査研究が、男女共同参画社会の実現に向けた市民ニーズを把握する基礎になっています。調査結果はクレオ大阪のホームページで公開していますので、ぜひご覧くださいね。
発行:大阪市市民局ダイバーシティ推進室男女共同参画課 編集:大阪市立男女共同参画センター中央館指定管理者:大阪市男女共同参画推進事業体 (代表者:(一財)大阪男女いきいき財団) クレオ大阪ホームページ