村木 真紀さん
認定NPO法人
虹色ダイバーシティ代表

社会保険労務士。日系大手製造業、外資系コンサルティング会社等を経て現職。LGBTQ当事者としての実感と、コンサルタントとしての経験を活かし、LGBTQに関する調査研究、社会教育活動を行う。

 「No one left behind 誰一人取り残さない」というSDGsの理念を聞いたときに、私はまず疑問が湧き上がりました。そこにLGBTなどの性的マイノリティのことは含んでいるのだろうか、と。日本国憲法は、第十四条で「法の下の平等」を明記しています。それなのに、学校や職場で差別的言動は日常的にあり、同性パートナーと結婚することもできません。世界人権宣言には、第一条にこう書いてあります。「すべての人間は、生れながらにして自由であり、かつ、尊厳と権利とについて平等である。」しかし、LGBTは世界で迫害され、死刑などで処罰される国も沢山あります。2019年に大阪で開催されたG20でも、同性愛が犯罪である国が含まれていましたが、政府間の議題になりませんでした。様々な宣言から除外され続けてきた身として、疑いの目をむけてしまうのは止むを得ないことでしょう。
  しかし、SDGsを実際に読んでみて、これは「使える」と感じました。SDGsは、一人ひとりがそうであって欲しい状態を描いているからです。国家間や国の法制度では守られていない私たちも、SDGsなら、すべての目標に、当然、含まれると読んで、尊厳と権利の獲得に向けて動くことができます。
  例えば、日本のLGBTの社会的課題は、以下のように、SDGsの目標に沿って説明することができます。

1.貧困をなくそう

同性愛、両性愛の人は異性愛の人より、トランスジェンダーはそうでない人より、収入が低いと言われています。学校や職場から阻害され、就職活動でも差別されることが要因です。

5.ジェンダー平等を実現しよう

ジェンダー平等の意識が低い場は、LGBTにも居心地が悪いものです。

8.働きがいも経済成長も

LGBTに関するハラスメントがあると、心理的安全性が低く、働きにくい職場になります。

10.人や国の不平等をなくそう

同性同士で結婚ができないのは不平等だと、現在、日本政府を相手にした訴訟が起きています。

16.平和と公正をすべての人に

LGBTであり、かつ、外国籍、発達障害、引きこもり、ホームレスなど、多重の困難を抱える人たちは、より困難な状況におかれがちです。行政や他分野のNPOとの連携が重要です。

 目標を設定するには、確かなデータが必要です。しかし、日本はLGBTに関する公の統計がほぼありません。まずは課題の可視化から、ということで、私たちは「NIJI BRIDGE」というサイトを運営し、LGBTに関するデータと、一人ひとりができるアクションを紹介しています。是非チェックしてみてください!

阪急阪神ホールディングスグループが推し進める「阪急阪神 未来のゆめ・まちプロジェクト」で虹色ダイバーシティが車内ポスターに掲載されました。

2021年2月号 コンテンツ

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裏表紙

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発行:大阪市市民局ダイバーシティ推進室男女共同参画課 編集:大阪市立男女共同参画センター中央館
指定管理者:大阪市男女共同参画推進事業体 (代表者:(一財)大阪市男女共同参画のまち創生協会)
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