コラム

男女共同参画社会基本法施行から25年

平成11(1999)年6月に、男女共同参画社会基本法が国会で全会一致により可決成立してから、今年で25年が経過します。この四半世紀の間に、少子高齢化の進展や社会経済情勢の急速な変化などを受けて、家族の在り方や個人の生き方も大きく変化してきました。

男女共同参画社会基本法制定の経緯

 日本における男女共同参画施策は、戦後、婦人参政権の獲得や、日本国憲法において個人の尊重(第13条)と法の下の平等(第14条)がうたわれたことに始まります。その後、昭和50(1975)年の「国際婦人年」を契機とした、女性の社会的地位向上に向けた世界的な機運の高まりと連動しながら、女性行政関連施策の整備は急速に進んでいきました。昭和60(1985)年の「女子差別撤廃条約」の批准にむけた諸条件の整備により、男女雇用機会均等法の制定をはじめ、男女平等に向けた様々な法制度も整備されましたが、社会的には性別役割分担意識と、それに基づく雇用慣行など解決すべき課題が多く残っています。
 平成7(1995)年9月に北京で開かれた第4回世界女性会議には、日本からも政府代表団の他にも数多くの女性が参加し、帰国後も活発に地域での活動を展開しました。平成8(1996)年には「男女共同参画2000年プラン」が策定され、その中で、男女共同参画社会の実現に向けた総合的な推進体制の整備・強化に向けて、基本法の制定の必要性が指摘され、平成11(1999)年6月の制定に至ります。

男女共同参画社会を実現するための5つの柱

 男女共同参画社会基本法のめざすところは、男女共同参画社会の実現です。具体的には男女の人権を尊重し、社会制度・慣行に配慮しながら、男女の対等な決定・参画機会を確保します。同時に、家庭生活と職業・学習・地域活動などとの両立を実現します。さらに国際協調しながらすすめます。こうした点をすすめることによって男女の地位の平等が実現すると、職場、家庭、地域で「ひとりひとりの豊かな人生」の実現につながるのです。
 基本法は、男女共同参画社会の実現の政策をすすめるだけでなく男女雇用機会均等法の改正や女性活躍推進法の制定などさまざまな法律へ効力を発揮します。また国とともに国民はもちろん地方公共団体の果たす役割も示されています。大阪市でも基本法をうけて男女共同参画にかかわる施策が展開されてきました。

大阪市の取り組み

 大阪市では男女共同参画社会基本法にもとづき、平成14(2002)年大阪市男女共同参画推進条例が定められ、男女共同参画社会の実現にむけた施策が展開されています。もともと大阪市では、女性の学習活動拠点を求める市民の声に応え、昭和37(1962)年に大阪市立婦人会館が設立された歴史があります。昭和58(1983)年には大阪市婦人施策に関する基本計画を制定し、1980年代に「女性いきいきセンター」として大阪市立男女共同参画センター(クレオ大阪)の設立整備を行いました。地方公共団体としては、いちはやく男女共同参画施策に取り組んでいたのです。
  そうした長年の取組に、さらに加えるかたちで大阪市では基本法制定に基づく男女共同参画施策がすすめられました。平成15(2003)年には大阪市男女共同参画推進本部と男女共同参画審議会が設置され、男女共同参画施策苦情処理制度も創設されています。
  平成18(2006)年には大阪市男女共同参画基本計画(大阪市男女きらめき計画)が制定され、その後も男女共同参画施策の指針としての改訂がかさねられています。
  令和2(2020)年に策定された「第3次大阪市男女きらめき計画」では、第2次計画からの継続性を踏まえたうえで、「あらゆる分野における女性の参画拡大」「安全で安心な暮らしの支援」「持続可能な男女共同参画社会の実現に向けた環境づくり」の3つの施策分野に沿って、政策指標を定め取組を進めています。

2024年5月号 コンテンツ

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表紙

発行:大阪市市民局ダイバーシティ推進室男女共同参画課 編集:大阪市立男女共同参画センター中央館
指定管理者:大阪市男女共同参画推進事業体 (代表者:(一財)大阪男女いきいき財団)
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