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大阪市男女いきいき財団のインターシップから学んだこと

2019.02.21 REPORT

大阪市男女いきいき財団のインターシップから学んだこと

大阪市男女いきいき財団のインターシップから学んだこと

インターン 堀口 真由

 2018年11月から2019年2月まで男女いきいき財団でインターンとしてお世話になりました、金沢大学4年生の堀口真由と申します。将来は海外の大学院で人権とジェンダー平等について学びたいのですが、それまでの間インターンシップを通して将来のキャリアについて考えたいと思っています。私は普段から地域によって、男女共同参画に関して取り組み方に大きな差があるように感じていました。実際、ほとんどの日本の地域自治体に男女共同参画に関する担当部署があるにも関わらず、残念ながらその活動は限定的で一般社会に十分に認知されていません。本財団でインターンをさせていただいたのは、この機会にジェンダー平等の観点から地域において民間団体が果たす役割について、全国でもロールモデルになりうる大阪市で学びたいと思ったからです。

主にかかわった業務

 私が主にかかわった業務は、非正規シングル女性に関する研究調査におけるデータの収集・分析です。クレオ大阪中央に設置されている研究室はシンクタンクとしての役割を果たしながら、平成20年度から毎年、大阪市内の男女参画に関する調査研究事業に取り組んできました。平成30年度は非正規で働くシングル女性の実態を把握するウェブアンケート調査を行いました。私は最初に回答者の属性を比較するための表の整理や、フリー回答の分類をしました。テーマ別にみることで、回答者一人一人の数字だけではわからない状況が見えてきました。また、今回の調査だけでなく、過去に他機関によって行われた非正規女性に関する調査と本調査の、質問項目と結果を比較し調査対象の女性の属性がどう違うのか、年収や職種に違いはあるのかを分析しました。

業務から学んだこと

 これらの業務から、私が学んだことは大きく三つあります。一つ目は、一つの研究調査を行うのに多大な労力と時間がかかるということです。普段大学の講義やメディアで何気なく目にするデータ・調査結果ですが、質問項目の選定・ブラッシュアップなど、結果の分析だけでなく、調査の準備段階から時間をかけて様々な視点から検討されていることに気が付きました。

二つ目に、得られたデータの分析からも多くのことを学びました。まず、データを見るときにいかに私自身が固定観念にとらわれているのかを痛感しました。この調査にかかわる前までは、非正規で働く女性は既婚者で家計の補助的な形で働いているか、病気やけが等の要因によりフルタイムで働けない場合であるイメージが強くありました。しかし、実際には正規職で働きたかったのに仕事が見つからず、その後も非正規でしか仕事が見つからなかったり、介護や家庭の事情など、さまざまな働きづらさから非正規で働いている人も多く、ショックを受けました。また、調査研究を行う際には、事前に結果や回答の特徴について仮説を立てるのですが、結果を見る際には様々な角度から見る必要があることも学びました。

三つ目は施策提言を行う過程です。インターンシップを始める前は施策という言葉も知らず、地域では議会で議論されるか議員へのロビー活動・陳情というものを通じて地域の運営がなされていると思っていました。しかし、実際には様々な機関が地方政治に影響を及ぼしています。特に本研究室においては、調査研究を通して「大阪市の男女共同参画施策の推進」を目的に施策提言という形で市民の声を地域の運営に反映できるという、ただ単に研究結果の公表で終わらせないところに、仕事のやりがいを感じました。さらに、ぼんやりとした目標としての施策提言ではなく、実現性や具体性を考えた提言が行われており、地域におけるジェンダー平等の推進に大きく貢献していると思いました。

 
さいごに
 今回のインターンシップではセミナーなどを通じた女性のエンパワーメントだけでなく、施策提言を目的とした研究調査に関われたことに大きな意義がありました。さらに、ジェンダー平等を達成し男性も女性も活躍できる社会の実現のため、地方自治体単独ではなく民間団体などの他の機関と協力することで、各地域の中でできることは増えるということに気が付きました。今回学んだことを活かし、さらに勉強に励みたいと思います。このような貴重な体験をさせていただき、誠にありがとうございました。この場を借りてお礼申し上げます。

 

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