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【財団ニュースvol.42㊦】コロナ下の今、私たちにできること

2021.06.25 PR

大阪市男女いきいき財団 ハイライト2020㊦

 

社会が大きく変化した2020年度。
つらさを抱えた方々が孤立してしまわないように。
このような状況下でも、新たなチャレンジをしたい人を後押しできるように。
大阪市男女いきいき財団は、社会のニーズを探り、さまざまな形で支援を続けてきました。
私たちが取り組んだ事業をピックアップして紹介します。

安全・安心を守る コロナ下の女性のための緊急対応

 新型コロナウイルス感染症の拡大と外出制限は、社会のさまざまな面で大きな影響を及ぼしていますが、特に女性に深刻な影響が広がっています。

 女性の就業者数の減少は男性の1.8倍。自殺者数は前年に比べて、女性は935人増加(男性は23人減少)。DV相談件数は1.6倍増加するなど、男女でその影響が大きく異なっていることがわかってきました。

 


●女性の就業者数:2020年4月で70万人減、男性の39万人減に比べて1.8倍 (総務省労働力調査)

●自殺者数:2020年合計で男性は対前年で23人の減少(2019年:14,078人、2020年:14,055人)、女性は935人の増加(2019年:6,091人、2020年:7,026人) (警察庁HP)

●DV相談件数:2019年度:119,276件、2020年:190,030件(速報値)(内閣府男女共同参画局調べ)


◆女性の安全・安心を守る取り組み①相談事業
社会とのつながりを回復し、絶やさない

 コロナ下の新しい生活様式であるソーシャルディスタンスは、私たちを感染症から守っています。一方で、大きな危険をもたらしています。外出自粛による在宅時間の増加は、女性たちの孤立を増やし、必要な助けを遠ざけてしまうからです。国連ウィメンのムランボ=ヌクカ事務局長はこのことを「女性に対する暴力という陰のパンデミック(世界的大流行)」だとして、全世界にその対策を求めました。

 財団では、配偶者暴力相談支援センター事業の1つとして、電話による相談に加え、2020年5月からDVメール相談を始めました。緊急対策として、周知も十分でないまま始めましたが、5月は24件の相談があり、年間の相談件数は410件にのぼりました。年代別で見ると30代が45%と最も多く、時間帯では21時から9時までの夜間から早朝にかけての相談が約3割となっています。時間帯を選ばないことや電話を使わない特に若い層にとっても相談しやすいファーストコンタクトとしての相談機能を果たすことができました。

 さらに、女性の悩み相談においても電話・面接による相談に加え、2021年1月からメール相談を始めました。4月末までの4か月間で188件の相談がありました。夜間から早朝にかけての相談が多い点は、DVメール相談と共通しています。異なる特徴は、「些細な悩みでもいいですか?」といったケースの多さです。生活面での負担や不安感を感じている方も、返信によって(社会との)つながりを感じて落ち着きを取り戻す様子がうかがえます。また、「どこに相談したらよいかわからなかった」というケースも多く、支援の窓口にたどり着いていない人も多くいることがわかります。

 さまざまな困難を抱える女性や、孤独・孤立で不安を抱える女性が必要な支援に結び付くこと、そして、社会とのつながりを回復する・絶やさないことをめざして、今後も相談事業の継続・充実に取り組んでいきます。



◆女性の安全・安心を守る取り組み②DV被害者を支援
夕陽丘基金から緊急一時金を交付

 相談窓口にアクセスしてこられた方を、適切な支援につなぐことが重要です。2021年1月13日に緊急事態宣言が発令され、DV被害者支援の強化も求められていました。

 しかし、DVや性被害などの暴力により保護が必要な女性への一時保護施設・シェルターなどは、人的・経済的な運営面の課題が一層厳しくなっている状況でした。

 そこで、財団が事務局を担っている夕陽丘基金では、暴力被害者の一時保護や自立支援を行っている団体を対象に支援活動の持続化への一助として、2月初旬に助成金を交付しました(大阪市内の7団体に各10万円)。

 新型コロナウイルス感染症拡大の影響により寄付や活動資金の減少が課題となっていた団体が少なくない中、活動スタッフへの人件費や団体・施設の家賃・光熱水費など幅広く柔軟に活用できる交付金としました。

 夕陽丘基金は、現在の公的制度で十分な支援が受けられない状況にあるDV被害者やその同伴者(主に子ども)に対して、経済的な援助や、心身の回復を図り、自律を支援するための基金です。2004年3月に大阪市の女性団体などが設立しました。市民の募金から成り立つ同基金の事務局として財団は運営にあたっています。

 この交付金の取り組みは、小規模であっても、シェルターを通じて必要な人へ再配分するという基金の目的に沿ったものとして役立てていただきました。これからも支援団体や支援者の皆さまと共に、女性の安全・安心を守り、エンパワメントにつながる取り組みに力を入れてまいります。

クレオ大阪×SDGs セミナー・イベント2020

クレオ大阪各館では、市民が気軽に参加できる無料セミナーを展開。
多彩なテーマで関心を高め、自らアクションを起こすきっかけをつくっています。



◆社会を動かすキャンペーンを考えよう
クレオ大阪中央で10月10日、10月17日に開催

 ジェンダー格差や、環境汚染、貧困問題。1人で行動するよりも、公共機関・民間企業と一緒に考え、実行に移すことが、社会を変える近道です。ただ大きな声を上げるだけでは、自分の思いに共感する仲間を増やせません。相手を知る”受信力”を強化し、対象や時期について戦略を立てることを学びました。受講後、教育現場の視点から自治体に提言し、大きな反響を得た参加者もいます。


◆コロナ禍で見えてきた住まいと暮らしの不安
クレオ大阪子育て館で11月21日に開催

 「居住福祉」や「社会保障」を切り口に、シングルマザーや非正規雇用の女性の支援事例を共有しました。シングルマザー限定のシェアハウス運営者は「社会的弱者のシェルターとしての住まいではなく、1人1人が人生を謳歌し、主体的に実現する権利や力があると実感できる住まい」を提唱。コロナ禍で女性を取り巻く環境の厳しさが増す中、一歩進んだポジティブな取り組みに関心が集まりました。


◆SDGs LABO2021わかものアイデアコンテスト
クレオ大阪西で3月21日に開催 

 「自分たちの住むまちを自分たちの力で変える!」をコンセプトに、10~20代の学生がSDGsの課題解決に向けてプレゼン。LGBTsの居場所づくりに取り組む高校生は、多目的トイレを題材に、性別に違和感がある人が安心して暮らせる環境整備を呼びかけました。入賞者の活動は、クレオ大阪西が継続的に支援します。

 



◆ひきこもりから考える~ひきこもりを支援するとは~
クレオ大阪南で12月16日に開催

ひきこもり状態にある人の、長期化・高齢化の深刻さが増しています。自立を呼びかけるだけでは支援者、当事者どちらも疲れ、傷つく結果になりかねません。人をどう動かすかではなく、周囲の環境や社会構造に焦点を当てること。生きづらさの根幹に向き合う、本当の意味での支援について考えました。




◆男のしゃべり場
クレオ大阪東で12月5日、1月23日に開催

 「男らしさ」に縛られ、息苦しさを抱える男性は少なくありません。そんな人のための、職場でも家庭でもない「第3の居場所」。夫婦や子ども、職場での人間関係のモヤモヤについて、男性同士がフラットに語り合いました。人と直接会う機会が減った今だからこそ、続けていきたい企画です。

サステナブルな社会に向けて連携 大阪・関西女性のみらい創造会議

 「大阪・関西女性のみらい創造会議」は、企業・行政・大学・非営利団体といった所属の垣根を越えて連携することで、大阪・関西の未来をジェンダー視点から共に創り上げるプロジェクトです。
 2014年度にスタートし、第4回目となる今回は、オンラインで集った約70人が、2025年の大阪万博に向け、理想としたい未来社会について意見交換しました。関西経済同友会代表幹事の生駒京子さんや、フェアトレードショップ「Love&sense」を運営する高津玉枝さんは、「わくわくと楽しみながらサステナブルな社会に変革していきましょう」と呼びかけ。それぞれが刺激を受け、励まされるひとときを過ごしました。参加者は、早速SNSでつながるなど、行動の輪を生み出すネットワークを広げています。
◆当日の詳しい実施報告についてはこちらのページをご覧ください

~参加者の感想~

●さまざまな形、立場でジェンダー平等に向けて活動している方とお話でき、勇気をもらった。

●後日お話をする約束をし、数名の方とSNSでつながった。今後が楽しみです。

●何か新しいことを始めようという気持ちになった。

#つくろう未来のカタチ キャンペーン 職員が取り組むSDGsを紹介

 クレオ大阪が編集する「大阪市男女共同参画情報誌クレオ」。5・6月号では、LGBTsの人権やファッションの多様性など、SDGsを身近な課題から読み解き、社会を変えようと動き出した若い世代を紹介しています。

 財団職員も負けてはいられません!

 仕事や暮らしの中で取り組むSDGsのアイデアを紹介!ちょっとした考え方、行動1つで世界は変わります。皆さんの感想やアイデアも、ぜひ「#つくろう未来のカタチ」のハッシュタグとともにSNSに投稿してください。



1.貧困をなくそう
 クレオ大阪東で、子ども食堂などに食品の寄付を募る「フードドライブ」をNPO法人と協力して実施しました。子どもの貧困について考える取り組みを今後も続けたいです!




3.すべての人に健康と福祉を

毎日の犬のお散歩。いつの間にか私のお散歩。気分転換と食後の運動になっています。季節や風を感じられるのが醍醐味です。わんこの元気は私の元気!




4.質の高い教育をみんなに

 受験生を全集中で応援する父親の一人ですが、自分も仕事に勉強に趣味に挑戦するのがいいと気づきました。天文学を大学で、ピアノはアプリで勉強中です。




5.ジェンダー平等を実現しよう
 日常で感じるモヤモヤや心の中にあるゴツゴツとした違和感…こんな自分の気持ちに気づくことがジェンダー平等への第一歩。自分から声を上げられなくても、友達の発信にイイねしたり、できることをできるときに。




8.働きがいも経済成長も

 趣味のハイキングや登山を楽しみに、できるだけ無駄な仕事を減らす、残業しないなど、自分の業務を見直し、取り組んでいます。






10.人や国の不平等をなくそう

 初対面の人と話すときは、その人自身がどんなことを感じ、考えているのかを知るようにしています。勝手な思い込みやきめつけで、誤解をしてはもったいないですから!



11.住み続けられるまちづくりを

 私は、産業カウンセラー、防災士等の資格を活かし、「住み続けられるまちを創る」ために、「対話カフェ」で、地域に人と人との新しい繋がりを創ります。




17.パートナーシップで目標を達成しよう

 個人で所属している防災研究会と英語スピーチクラブでの活動はオンラインで。孫や友人ともZoomで気軽におしゃべりしています。ホワイトリボンランにもリモートで参加しました!





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