30周年を迎えた大阪男女いきいき財団が感謝を込めてお届けします!
野間 麻子さん NPO法人ハイヒール・フラミンゴ代表
山納 洋さん 大阪ガスネットワーク㈱事業基盤部都市魅力研究室 / 談話室マチソワ主宰
1993年に、財団法人大阪市女性協会として設立されてから30年。私たちは、男女共同参画やジェンダー平等、さらには男女にとどまらないダイバーシティ推進に挑戦し続けてきました。2013年には一般財団法人となり、大阪市男女共同参画のまち創生協会として、行政からの受託事業だけでなく、独自の事業を展開する団体に成長しました。
そして、30周年の節目を迎えた2023年、一般財団法人大阪男女いきいき財団として新たなスタートを切りました。これまで以上に親しみをもっていただき、大阪・関西のさまざまな地域の連携を深めたいという思いを込めています。
今号では、昨年7月にクレオ大阪中央で開催した30周年記念イベントの模様をお届けします。キャッチコピーは「行けるところではなく、行きたいところに行こう!」自分らしく生きられる社会をめざす、この合言葉を私たちと共に広げていきませんか?
京極 務 大阪男女いきいき財団理事長
財団の名称変更を機に、改めて皆さんの生活に根ざした応援団として飛躍をめざします。30周年を節目に、事業の充実や情報発信力を高め、大阪の男女共同参画といえば大阪男女いきいき財団だと多くの方に認識いただけるよう、財団の実力・ブランド力を高めていきます。ぜひ、アイデアやご意見をいただければ幸いです。
岡田 恵子さん 内閣府男女共同参画局長
出産などを理由に、20代後半から女性の正規雇用率が下がる「L字カーブ」が、今の課題です。女性活躍は行政だけで進むものではなく、議会や地域、企業などあらゆる分野での働きかけが重要。また、女性だけではなく、男女ともに希望に応じた生き方やキャリアを形成できる社会の実現に向けて、皆さんとともに取り組んでいきます。
萩原 なつ子さん 独立行政法人 国立女性教育会館理事長
リーダーが動くためにはフォロワーが必要です。「それいいね!」「私も一緒にやるよ」というフォロワーシップが欠かせません。大阪を拠点にした男女共同参画のリーダーとして、大阪男女いきいき財団が次は40周年に向けて進み始めました。ここに集った方をはじめ、皆さんの協力を得ながら、一緒に景色を変えていきましょう。
「義足」「女性」という2つのマイノリティ要素を持つ参加者たちは、人生のあらゆる場面において「自分が我慢をすれば」「少しくらい無理をしよう」という考えを無意識のうちに選んでいました。でも、言わないから要望がないわけではない。みんなのちょっとした困りごとを整理すると「愚痴」ではなく「意見」になり、それを伝えることで社会を変えられます。まさに「パーソナル・イズ・ポリティカル」ですね。
自由とは、心身状況ではなく、生き方や制度を自分で選べること。そう実感します。
NPO法人を運営していると言うとハードルが高そうだと思われがちです。でも「趣味は社会活動」と言えるくらい気軽な感覚で始めてみてほしいです。私がそのロールモデルになれるよう活動を続けます。
父親が家で自分たちと過ごしながら家事をし、その間母親がキャリア構築に励む。一定期間後にその役割が真逆になる。そんな光景が当たり前の環境で育った我が家の子どもたちは、職場、家庭、議会、メディアなどあらゆる場面にジェンダー平等を期待するようになりました。私たちはジョブシェアリングという形でしたが、キャリアと家庭の両立ができる柔軟な働き方はそれ以外にもあるはずです。
世界経済フォーラムによると、世界中のジェンダーギャップを埋めるにはあと131年。日本は189年かかると予想されています。私たちの子ども世代すらその場に立ち会うことは不可能かもしれません。それでも、次の世代のために、私たちは少しでも変化のペースを上げられるような行動を起こしていかなければなりません。
飲食業をしたいのか。それとも、場づくりをしたいのか。カフェ講座の受講生に毎回尋ねる質問です。2010年頃は5:5だったのが、いまは2:8。場づくりというキーワードへの関心が高まっていると実感します。
1つは当事者として、何かテーマに沿った場をつくろうという動きが目立ちます。たとえば、子育て中の人や、障がいのある家族を抱えてしんどい思いをしている人は、自分の場を必死でつくっていかなければならない。そんなモチベーションがあるのではないでしょうか。
もう1つは、地域の課題解決に向けてカフェの要素を組み込もうとする動き。男性中心の自治組織が多い中、自分たちの関心のあるテーマで活動しようという女性の話を聞くこともあります。企業に属した活動とは別に、こうした取り組みが広がることは、地域社会を支える担い手づくりにつながっていくと信じています。
地域のジェンダー課題改善と災害時の危機の回避。その両方を支える女性リーダー人材育成に力を入れています。オープンに未来志向で対話し、チャレンジを互いに称え合う。講座受講者には、この価値観を共有してもらいます。女性が何か活動したいと思っても、地域や家族から反対されることも少なくないと聞きます。でも、この場に来ることで自己肯定感を高め、仲間同士で障壁を乗り越えていけます。そんなネットワークを広げることで、私たちにとって生きやすい未来社会に近づけると思います。
ジェンダーの課題解決の優先順位、皆さまの活動現場では実際どうでしょう? 1つでも順位を上げてアップデートしていきませんか。共に盛り上げてください。
野間 麻子さん NPO法人ハイヒール・フラミンゴ代表
山納 洋さん 大阪ガスネットワーク㈱事業基盤部都市魅力研究室 / 談話室マチソワ主宰