30周年を迎えた大阪男女いきいき財団が感謝を込めてお届けします!
野間 麻子さん NPO法人ハイヒール・フラミンゴ代表
山納 洋さん 大阪ガスネットワーク㈱事業基盤部都市魅力研究室 / 談話室マチソワ主宰
地域防災の現場で活躍できる女性を育成しようと、財団では2023年6月から11月まで、全12回の連続講座を開講しました。参加したのは、企業や地域団体、大学関係者や経営者など、多彩な現場で活動する女性29名。受講者たちは、ジェンダー平等・多様性の視点を軸に、災害や防災・ファシリテートの基礎知識を学ぶだけでなく、防災まちあるきや避難所開設、東日本大震災の被災地を訪れる2泊3日の研修など、実践的なプログラムを体感しました。
修了生たちはそれぞれのフィールドにここで得た知見を持ち帰り、リーダーシップを発揮しようと羽ばたいたばかり。財団では修了生や防災関係者のプラットフォームを設けるなど、今後も彼女たちの活動を継続的にサポートします。
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大阪市阿倍野区や兵庫県三田市を中心にママの「やりたい」を後押しするコミュニティを運営
「自分を応援する」 心に響いた女性リーダーの言葉
「自分で自分を応援してあげてください」。その言葉に、私の心の中にあった蓋がパンと外れ、熱いものがこみ上げてきました。東北研修では、現地で活動する女性リーダーのお話を聞く中で、活動のヒントをたくさんもらいました。冒頭の言葉は、宮城県南三陸町・上山八幡宮の禰宜の工藤真弓さんの言葉です。まず自分を大切にする、そこから活動がスタートする。そんな強くて優しいメッセージを受け取りました。
新たなスタート 研修が前にすすむきっかけに
NPO法人代表として、地域でコミュニティづくりをする中で、親子や保護者を対象とした防災啓発に力を入れています。いざという時にわが子を守れる大人を増やしたいという思いで取り組んでいます。東北から帰ってきてから、団体のメンバーからは「今までと言葉の重みが違う」と言ってもらいました。実際に自分の目で被災地を見て、語り部さんや支援者の方から直接お話を聞けたことは私にとって大きな財産です。
これまではさまざまな場に出向く活動が中心でしたが、さらに今年4月からは自分たちの拠点も設けることになりました。財団の研修で女性リーダーの方々に出会わなければ、「今じゃないかも」と現状で満足していたかもしれません。この場所を、女性のエンパワメントをできる「小さな実家」にしたい。そう思いを新たにしています。
開発途上国の経営幹部や行政官、日本で学ぶ留学生を対象にした産業振興分野の研修を実施
コミュニティづくりで大切なのは「場」の力
東北研修では、コミュニティづくりに「場」の力が大切だと学びました。ある女性リーダーの方は手ぬぐいをいつも持ち歩くそうです。場が殺風景な時に、机の上に広げるだけでも雰囲気を明るく変えられるし、災害時には、ガーゼにしたり寒さ対策で首に撒いたりすることもできるからだそうです。見過ごしてしまいがちですが、大切な視点に気づかされました。
ひとりではなく仲間とともに 防災の実践者に
実際の避難所運営をチームで取り組む講義の際には、着替えやトイレ、授乳場所など、あらゆる場面でジェンダーや多様性に配慮することの難しさと、一方でその必要性を実感しました。受講生の中には既に防災分野で活躍される方も多く、初心者の私を優しくサポートしてくださる方ばかり。思い返す度にあたたかな気持ちになります。ここで学んだ経験を生かし、まずはクレオ大阪中央と共催する市民向けセミナー「上本町SDGs大学」で、防災をテーマに講座を実施したいと考えています。
日本は災害が多い国。海外の方からは不安に感じる声をよく耳にします。そんな方々の悩みを少しでも減らせるために何かできることはないだろうか。講座を終えた今、頭の中で考えを巡らせています。自分ひとりでは限りがあると思います。講座で出会った仲間の力もお借りしながら、防災の実践者として活躍したいです。
野間 麻子さん NPO法人ハイヒール・フラミンゴ代表
山納 洋さん 大阪ガスネットワーク㈱事業基盤部都市魅力研究室 / 談話室マチソワ主宰